【このページの内容】
- ブログの必要な記事数がわかる
- ブログ記事を増やすメリット・デメリットがわかる
ブログを始めた頃や、なかなか効果が出ずモヤモヤしている時に気になるのが、「ブログ集客にはどれくらいの記事数が必要か」ということではないでしょうか。
ブログ集客では、「100記事は書くべし!」、「まずは30記事を目指そう!」のように記事数に言及している方も多いですが、記事数は必ずしも重要な指標ではありません。
この記事では、広告代理店でSEOディレクターをしている かずたか/ウェブ解析士 が、ブログ集客に必要な記事数について、SEOや制作リソースと言った観点で解説します。

かずたか@ウェブ解析士
SEO、MEO、コンテンツマーケティングが専門のWEBディレクターです。オウンドメディア集客が得意で、1年間でPV数200%UP、問い合わせ数270%UPなど実績も多数。中小企業や個人向けの集客ノウハウを発信しています。 【保有資格】ウェブ解析士協会 認定ウェブ解析士、全日本能率連盟登録資格 Web検定 Webディレクター、Google アナリティクス個人認定資格(GAIQ)
Twitter/@kazutaka_wmn
目次
ブログ集客の基本をおさらい
本題に入る前に、ブログ集客の基本についておさらいをしたいと思います。
というのも、ブログ集客を理解できていなければ、適正な記事数に関しても見極めることができないからです。
ブログ集客のターゲットは”そのうち顧客”
ブログ集客に限らず、集客に使われる顧客のセグメントには、
- いますぐ顧客
- そのうち顧客
- いつかは顧客
があります。
顕在顧客、潜在顧客など他の呼びかたもありますが、基本的には、ターゲットが顧客になるまでの関心度を表した指標のことです。
この中で一番美味しいのは、「いますぐ顧客」です。
しかし、「いますぐ顧客」は「店名」や「サービス名」といった固有名詞で検索することが多いですし、すでに行きたいお店があるのに、わざわざブログ記事で情報収集はしません。
そのため、ブログ記事で集客できる層は、
- 行きたい場所やサービスはあるけど今すぐ必要ではない「そのうち顧客」
- 興味はあるが、いつ購入するかわからない「いつかは顧客」
が中心になります。
なぜブログ集客では「そのうち顧客」、「いつかは顧客」がターゲットの中心になるかもう少し詳しく説明しましょう。
例えば、あなたが渋谷にある美容室「サンライズ」でブログ集客を担当しているとします。
「いますぐ顧客Aさん」は、競合である美容室スカイに行こうと考えていますのでインターネットで「渋谷 美容室 スカイ」と検索しました。
また「いますぐ顧客Bさん」は、髪を切ろうと思っていますが、行きつけの美容室があるので「原宿 美容室 ムーンライト」と検索します。
続いて、「そのうち顧客Cさん」は、来週髪を切りに行くために情報を収集をしています。
具体的にどの美容室に行くかは決めていませんので、「渋谷 美容室 ドレッドヘア」と検索し美容室の情報を収集します。
また「いつかは顧客Dさん」は先日髪を切ったので、美容室に行くことは考えていません。
しかし、先日のカットで思い切り前髪を短くされてしまい、「前髪 短い 髪型 セット方法」と検索をしました。
ここまでの各顧客の検索行動をまとめると、以下のようになります。
いますぐ顧客B:「原宿 美容室 ムーンライト」
そのうち顧客C:「渋谷 美容室 ドレッドヘア」
いつかは顧客D:「前髪 短い 髪型 セット方法」
キーワードの性質から、
「原宿 美容室 ムーンライト」
という2つのキーワードは、「美容室スカイ」や「美容室ムーンライト」のウェブサイトが検索結果に表示される可能性が高く、「美容室サンライズ」がつけ入る隙はありません。
反対に、以下の2つのキーワードは比較的ブログとの相性がよく、記事系のコンテンツで検索結果に表示させることができます。
そのため「美容室サンライズ」のスタッフブログとして、以下のようなコンテンツを制作することでユーザーと接点を持つことができます。
→渋谷でドレッドヘアがうまい美容室10選
→前髪が短いおしゃれな髪型10選!セット方法も紹介
つまり、ブログ集客では、固有名詞で検索するような「いますぐ顧客」ではなく、記事コンテンツと相性の良いキーワードで検索する、「そのうち顧客」や「いつかは顧客」を狙うことになるのです。
ちなみに、いますぐ顧客を狙う場合は、リスティング広告などを利用することが多いです。
ウェブ集客の種類については、「ウェブ集客とは?ネット集客の7つの方法や成功させるコツについて」で詳しく解説していますので、参考にご覧ください。
ブログ集客のゴールは様々、ゴールによって必要な記事数も変わる
ブログ集客のゴールというと「商品の販売」「お店への来客」などがイメージしやすいところでしょう。
しかし、ブログ集客のゴールはそれだけではありません。
例えば、
- メルマガ登録
- 会員登録
- お試しセットのお申込み
- セミナー申し込み
- 資料ダウンロード
- アプリのダウンロード
- LINE、SNSなどのフォロー
なども場合によってはブログ集客のゴールになります。
ブログ上ですぐに購入につながるような商材であれば良いですが、検討期間が長い商材や、一度商談をしなければ成約につながりづらい商材などもあるでしょう。
こういった場合には、ブログ集客のゴール地点を購入以外の「少し前段階」に設定し、まず接点を作り、そこから本当のゴールへと導く戦略をとることが一般的です。
つまり、一口にブログ集客といっても、ユーザーを直接集客につなげるパターンと、一旦メルマガ登録などをゴールとするパターンなどで、記事の内容や必要な記事数は異なるということです。
ブログ集客の仕組み
先述の通り、ブログ集客のゴールは様々です。そのため、ブログ集客の仕組みや全体の流れにもいくつかパターンがあります。
代表的なパターンは、ブログ記事で直接商品やサービスを宣伝してブログ上で完結させる方法です。
この方法では、自社の商品に関連する情報を定期的にブログで発信し、購入サイトや予約サイトへ誘導します。
非常にシンプルな方法なので、わかりやすい反面、反響につながるブログ記事がかけるかがポイントになります。
続いて、間接的なパターンについてです。間接的なパターンでは、ブログ上ではメルマガ登録、SNSのフォロー、説明会、セミナーなどその一歩手前のゴールへ誘導します。
そして、メルマガやセミナーなどを通じて、商品やサービスを宣伝します。
この方法はやや遠回りですが、時間をかけて商品やサービスの魅力、必要性などを認識させられる効果があります。
そのため、直接ブログ上で完結する場合と比較して結果的に成約率が高くなることが多い方法です。
必要な記事数は観点によって変わる
ここからはブログ集客に必要な記事数を、4つの観点で解説をします。
「SEO」観点で見た記事数
ブログのメイン集客チャネルはSEOです。
SEOの観点で必要な記事数は、最低10記事~できるだけ多くという結論になります。
そもそも、検索エンジンの順位の考え方は「合計点」です。
ランキングを決める要素は様々あり、すべての項目の合計点で順位が決まります。
記事数に関しても同じです。
例えば、以下の2つのサイトがあったとします。
サイトA:記事数多い、記事の内容は薄い(広く浅い)サイトB:記事数少ない、記事の内容は濃い(狭く深い)
あるキーワードでは、サイトAが上位に表示されていたとしても、あるキーワードではサイトBの方が上位に表示されているということもあります。
つまり、記事数は様々ある指標の一つであり、記事の数で順位が決まるわけではない。ということです。
そのため、狙うべきキーワードが少ない場合は10記事程度でも対策が可能です。
しかし、複数のキーワードを狙いたいというケースや、どんどん事業を拡大していきたいというケースでは、対策するべきキーワードは無限に増えていきます。
ちまたでよく言われるように50記事あれば良い、100記事あればよいというものではなく、目的にあわせて記事の本数を考えることが重要です。
「コンテンツ」観点で見た記事数
コンテンツの観点で記事数を検討する方法もあります。
具体的には、ターゲットがコンバージョンするまでに必要だと考えられるコンテンツが充足するように記事を用意します。
例えば、ペットフード専門の通販ショップが集客する場合を例に解説します。
お客様がペットフードを購入するまでの過程が以下だとします。
↓
ペットフードを探す
↓
ペットフードを比較検討する
↓
ショップを探す
↓
ショップを比較検討する
↓
購入する
この流れに対して、必要なコンテンツは以下のようになります。
↓記事:飼い犬がドッグフードを食べなくなった!原因と対策について紹介します!
ペットフードを探す
↓記事:悩み別ドッグフードの選び方!ペットフード専門店が解説します。
ドッグフードを比較検討する
↓記事:ドッグフードで迷ったら!ドッグフードを比較検討する際のポイント
ショップを探す
↓記事:東京都周辺でおすすめのペットショップをドッグフード専門店店員が紹介する
ショップを比較検討する
↓記事:ドッグフードを買うならこんなお店!本当に信頼できるお店の選び方
購入!
このようにお客様が商品を検討してから購入するまでの流れを明らかして、戦略を考える方法を「カスタマージャーニー」といいます。
そして、カスタマージャーニーに沿って必要だと思われるコンテンツを逆算して、記事数を検討する方法もブログ集客では有効です。
この方法では、どのようなカスタマージャーニーかによって異なりますが、おおよそ10~20記事ほどあれば最低限の記事数はカバーできるでしょう。
「制作リソース」観点で見た記事数
ブログ集客では記事の作成が欠かせません。そして、記事の作成というのは意外と時間やコストがかかります。
そのため、記事を制作する人数や作業時間やコストから逆算するのも考え方の一つです。
例えば、1名が週に1本記事を更新するとします。そして1年が52週間とすると制作できる記事数は52記事です。
これが2人体制なら104記事、3人体制なら156記事となります。
つまり、人数や制作時間、予算から逆算するのも方法の一つということです。
「成功事例」観点で見た記事数
私は、これまで約7年ほどBtoBの集客記事のディレクションに携わってきています。その中で経験した成功事例から記事数について紹介します。
10ページ程度のサイトから300記事程度のサイトまで携わって来ましたが、直接集客につながる記事は、記事全体のうち数パーセントから多くて20%程度です。
これは100記事あるサイトでも実際に集客につながるのは20記事程度ということです。
では、記事の作成は20記事程度で良いのかというと半分は正解で、半分は不正解です。
というのも、実際たった1記事のブログ記事を作成しただけで、年間30件近い問い合わせを獲得できるようになった事例もあります。
しかし、100本の記事を作成してやっと目標の問い合わせ数を獲得できたという事例もあります。
この2つの違いは、売りたい商材、競合他社の強さ、商材とブログの相性などにあります。
ブログ集客と相性がよく、ニッチな商材なら、少ない記事数でも効率的に結果を出すことができます。
しかし、ブログ集客との相性が悪い商材で、かつ競合他社も多数ある商材を取り扱っている場合は、他社に負けないようそれなりの記事数を用意する必要があります。
つまり、成功事例を見ると、
- 1記事で成果が出たケース
- 100記事で成果が出たケース
- それ以上記事が必要なケース
など様々あり、これらは商材とブログとの相性や業界の状況に大きく左右されてしまうということです。
ブログ記事を増やすメリット・デメリット
先に、ブログ記事を増やすことが必ずしも良いことではないということについて解説しましたが、改めて記事を増やすメリット・デメリットについて紹介します。
ブログ記事を増やすメリット
まずはブログ記事を増やすメリットです。
検索エンジンからの間口が増える
ブログ記事を増やす最大のメリットは、検索エンジンからの間口を増やす効果です。
1記事だと検索エンジンからの間口は一つしかありません。
しかし2記事、3記事と増えていく毎に検索エンジンからの間口が増え、集客につながるアクセスを獲得しやすくなります。
集客に強い記事ができる可能性が高まる
ブログを始めたばかりの頃は、どんなキーワードで記事を作成すれば集客につながるのかがわかりづらいです。
そのため、作成した記事が必ずしも集客に貢献できるとは限りません。
しかし、記事をたくさん作成すれば、集客につながる「ヒット記事」ができる可能性が高まります。
ドメイン全体の評価が上がる
SEOの世界には、ドメイン自体の評価というものがあります。
ドメインとはホームページURLの//以降の部分のことです。(※https://domain.jp 太字の部分のこと)ドメインの評価が高まると、記事が上位表示されやすくなります。
記事をたくさん増やし、良質なコンテンツの保有量が増えると、必然的にドメイン評価も高まっていきます。
とはいえ単に記事数が多ければよいというわけではなく、あくまで検索エンジンに評価される良質なコンテンツが増える必要があるという点は理解しておきましょう。
データが集めやすくなる
記事数が増えると、集客に貢献する記事とそうでない記事、お客様に喜んでもらえる記事とそうでない記事、などを見極めるためのデータが集まりやすくなります。
記事が増えれは増えるほど分析できるデータが増えますので、正確な判断がしやすくなり、ブログ集客の成功確率を高めることができます。
記事作成が上達する
記事を自分で作成する場合は、記事数を書くほど執筆能力が向上します。
また、タイピング速度なども上達していきますので、効率的に記事を作成することができるようになります。
ブログ記事を増やすデメリット
ブログ記事を増やすことはいいことばかりではありません。デメリットについても理解しておきましょう。
作成にコストがかかる
記事作成はタダではありません。
自分で作成する場合でも時間的なコストはかかります。
さらに、記事数が増えれば増えるほど作成にかかるコストは増えていきます。
記事数は多い方が良いこともありますが、記事数を増やすことは目的ではありませんので、費用対効果を意識しつつ作成する必要があります。
管理が大変になる
記事は作成して終わりではなく、リライトしたり、内容の見直しをしたりといったメンテナンスが必要です。
また、どんなキーワードで作成した、いつ掲載をした、定期的に更新が必要なところはどこかなど、記事数が増えるにつれて管理が大変になります。
よくあるケースが、とりあえず作るだけ作って、途中で制作も管理もやめてしまいサイト上に古い記事が放置されているという状態です。
これでは、集客のために作ったブログが逆効果になってしまいます。
ドメイン全体の評価が下がるリスクがある
良質なコンテンツが増えるとドメイン全体の評価が高まると先述しました。しかし、適当な記事をたくさん量産し低品質なコンテンツが増えると、ドメイン全体の評価が下がるリスクがあります。
もしドメイン全体の評価が下ると、すべてのページが上位表示されづらくなります。
量より質で考えよう!ブログ集客に必要な記事数
この記事では、広告代理店でSEOディレクターをしている かずたか/ウェブ解析士 が、ブログ集客に必要な記事数について、SEOや制作リソースなどと言った観点から解説しました。
ちまたでは、30記事を目指そう!100記事を目指そう!といった話が散見されますが、記事数が多いから良い、少ないから悪いということはありません。
記事数を考える上で重要なのは、「ゴールから逆算してどれくらい記事が必要」や「限られたリソースの中でどうやって成果を出すかを考えること」です。
この記事を参考にしていただき、効率よく効果を出せる記事数を考えて見てはいかがでしょうか。