【このページの内容】
- ファネル分析とは何かがわかる
- ファネル分析の扱い方がわかる
- ファネル分析ができるマーケティングツールがわかる
ウェブサイトやアプリなどの分析手法の一つにファネル分析があります。
ファネル分析は、マーケティング分野で幅広く用いられるフレームワークであり、様々なシーンで活用されています。
本記事では、ウェブ解析士である私がファネル分析について詳しく解説いたします。

かずたか@ウェブ解析士
SEO、MEO、コンテンツマーケティングが専門のWEBディレクターです。オウンドメディア集客が得意で、1年間でPV数200%UP、問い合わせ数270%UPなど実績も多数。中小企業や個人向けの集客ノウハウを発信しています。 【保有資格】ウェブ解析士協会 認定ウェブ解析士、全日本能率連盟登録資格 Web検定 Webディレクター、Google アナリティクス個人認定資格(GAIQ)
Twitter/@kazutaka_wmn
目次
ファネル分析とは?
ファネル分析とは、ウェブサイト、アプリなどの各プロセスの離脱率に焦点を当て、分析・改善を行う手法です。
ファネルは日本語で漏斗(ろうと)を意味し、入り口から目標地点にかけて徐々にユーザー数が減る様が漏斗に似ていることから「ファネル分析」と呼ばれています。
ファネル分析の種類
ファネル分析は目的に合わせて4種類の分析方法があります。
パーチェスファネル
パーチェスファネルとは、ファネル分析の最も基本的な型のことです。
ファネルを上部から
- 認知
- 興味・関心
- 比較・検討
- 購入
に分けて分析をします。
ここで用いられる、認知、興味・関心、比較・検討、購入は、AIDMA(アイドマ)と呼ばれる消費者の購買行動プロセスの代表的なモデルです。
パーチェスファネルは、ウェブマーケティングだけではなく様々なマーケティングシーンで活用されます。
インフルエンスファネル
インフルエンスファネルとは、商品やサービスの購入後のプロセスを分析するためのファネルです。一般的なファネルとは違い上部が最も少なく、下部に行くほどボリュームが増えていく構造となっています。
インフルエンスファネルでは、継続、紹介、発信という指標が用いられ、購入直後が最も少ないファンをどのようにして増やし、情報発信をさせていくかというようなシーンで活用されます。
このモデルは、インターネットやSNSと密接な関係があり、近年になって活用されるようになった分析手法です。
ダブルファネル
ダブルファネルは、先程紹介したパーチェスファネルとインフルエンスファネルをくっつけた分析手法です。
そのため、認知、興味・関心、比較・検討、購入から継続、紹介、発信までを、一つの流れとして分析をする際に用いられます。
ファネル分析の応用
ウェブサイトなどでの分析を行う場合は、上記以外のファネルを使って分析することがあります。
例えばサービスサイトなどでは、
- すべてのセッション
- 商品一覧ページ
- 商品個別ページ
- 購入フォーム
- 購入
などを指標として設定し、サイトの入り口からあらかじめ設定したコンバージョンまでの離脱率を分析します。
このように、ファネルの型に当てはめて任意の指標を設定することで、様々なマーケティング活動にファネルを役立てることができます。
テンション分析との違い
ファネル分析と似たシーンで用いられる分析手法に「リテンション分析」があります。
リテンション分析とは、ウェブサービスやアプリケーション、SNSなどの継続率を分析するための手法です。
SNSを例にリテンション分析を紹介すると、
SNSのアカウントをフォローした日を起点に、1日経過ごとのアカウントの再訪率を数値化します。
再訪率が下がり始めるタイミングや再訪率が下がる原因を分析し、キャンペーンを実施したりコンテンツの改善に役立てます。
つまり、ファネル分析が離脱率を軸に分析をするのに対して、リテンション分析は継続率を軸に分析する手法です。
ファネル分析の特徴
ファネル分析は、商品の購入や問い合わせを増やすための改善を、効率的に行うことができます。
例えば、あるリードジェネレーションサイトを例に問い合わせ数を倍にする方法を考えるとします。一般的に、「問い合わせを増やす=サイトのアクセスを増やす」と考えてしまいがちです。
しかし、以下のようにファネル分析を行ったとします。
集客ブログ 50,000UU
↓ 離脱率 90%
商品ページ 5,000UU
↓ 離脱率 99%
問い合わせフォーム 50UU
↓ 離脱率 50%
問い合わせ完了 25件
上記を見たときに、問い合わせ完了数を倍にするときに最も改善したインパクトが高そうな場所がどこでしょうか?
上記を見る限り、商品ページから問い合わせフォームへの離脱率が最も高いことがわかります。
もし、この離脱率を1%改善することができれば問い合わせの完了数は倍になります。
このように、サイトの改善場所や改善した際のインパクトを計算する上でファネル分析は非常に簡単で、わかりやすい分析手法という特徴があります。
ファネル分析を行う際の注意点
ファネル分析は非常に手軽に扱える分析フレームワークです。
しかし、ファネル分析を行う際にも注意点があります。
ファネル分析は数字を元にした「定量分析」です。
定量分析は客観的なデータに基づいて分析を行うため、論理的に理解しやすく、他者へ説明する際にも共感を得やすい分析手法です。
その反面、過去のデータから原因や課題を導き出す方法のため、未来志向の改善案を導き出すのには若干弱いところがあります。
そのため、ファネル分析を行うためには、並行して「定性分析」も用いる事を忘れないようにしましょう。
定性分析は数字にとらわれず、ユーザーの視点で改善案を導き出す方法です。
ファネル分析の場合は、ユーザーの目線に立って実際にサイトの入口からコンバージョンまでのルートをたどって、使いづらいところや改善が必要な場所がないかを探してみましょう。
ファネル分析の設定例
ファネル分析を様々なマーケティングに活用できる分析方法です。
ここでは、ECサイト、リードジェネレーションサイト、商品購入をゴールとしたアプリの例の3つを例にファネル分析の設定例について紹介します。
ECサイトの例
ECサイトでファネル分析を利用する際は、以下のように設定する事が一般的です。
- すべてのセッション
- 商品一覧ページ
- 商品個別ページ
- カートへ商品を追加
- 決済フォーム
- 決済可否
- 購入完了
ECサイトの場合、ゴール地点を決済完了に設定し、逆算してファネルを設定していきます。
ECサイトならではの特徴として、カートへ商品を追加してから、決済フォームへ進み、決済可否、購入完了と他のサイト形態と比較してステップが多めである点です。
リードジェネレーションサイトの例
リードジェネレーションサイトでファネル分析を利用する際は、以下のように設定することが一般的です。
- すべてのセッション
- 商品・サービスページ
- 問い合わせフォーム
- 問い合わせ完了
ECサイトの場合と比較すると、ステップがやや少なめです。
また、商品・サービスページの前に商品一覧ページなどを経由するパターンも多いと思いますので、そういったシアと構造になっている場合は、ステップに追加するようにしましょう。
商品購入をゴールとしたアプリの例
商品購入をゴールとしたアプリの場合は、以下のようにファネルを設定することが一般的です。
- ログイン画面
- 商品一覧ページ
- 商品個別ページ
- カートへ商品を追加
- 決済
商品購入をゴールにしている点はECサイトと同じです。
しかし、アプリはスマートフォンなどの端末にダウンロードされており、入り口はログインになります。
また、カートへ商品を追加したあとも、決済方法があらかじめ登録されている事が多いですのでステップが少なくなります。
ちなみに、アプリのダウンロードに至る過程もファネル分析する場合は、アプリストア一覧ページ→アプリ詳細→ダウンロードボタンといったスタップをログイン画面の前に設定するようにしましょう。
ファネル分析ができるマーケティングツール7選
ファネル分析は、エクセルやスプレッドシートなどを利用しても分析することは可能です。
しかし、用意されているアプリやソフトウェアなどを利用することで、より簡単に分析を行うことができます。
ここでは、ファネル分析で利用することができるマーケティングツールを紹介します。
1. Googleアナリティクス
Google アナリティクスは、Googleが無料で提供する分析ツールです。
ウェブサイトやアプリなどを分析する際に広く利用されており、ウェブ解析の必須ツールです。
Google アナリティクスでは、「目標到達プロセス」という機能を利用すると、あらかじめ設定したファネルに沿って自動で集計結果が作成されます。
また、ファネルの途中で離脱したユーザーをリマーケティングユーザーリストに追加すると、Google広告を活用してアプローチすることができます。
公式サイト「Googleアナリティクス」
2. AIアナリスト
AIアナリストは、あらかじめサイトを設定を完了しておけば、AIが自動でサイト解析を行い集計結果だけではなく簡易的な改善提案まで提示してくれる、優れたマーケティングツールです。
ファネル分析の専用のツールというわけではありませんが、コンバージョンとゴールとしたさまざまなファネル分析を行うことが可能です。
公式サイト「AIアナリスト」
3. KOBIT
KOBITは、ウェブサイトの解析、改善を提案してくれるツールです。
KOBITでは、ユーザーの属性は、新規訪問と再訪問の比率、流入元分析といった基本指標の分析はもちろんファネル分析も自動で集計してくれます。
また、レポート作成に力を入れているツールでもあり、ビジュアライズされたレポートをパワーポイントなどで出力することが可能です。
公式サイト「KOBIT」
4. brick
brickはアクセス解析に特化した分析ツールです。
brickでは、Googleアナリティクスのデータを利用しながらも見やすいレイアウトでファネルを作成してくれるため、ファネル分析がはかどります。
また、Googleアナリティクスのデータを引用しているため、Googleアナリティクスで設定したセグメントにも対応している点も特徴です。
公式サイト「brick」
5. Repro
Reproはウェブサイトだけではなく、アプリなどの分析もできる高機能なマーケティングプラットフォームです。
Reproの特徴は、ファネル分析が使えることはもちろんの事、リテンション分析、KPI分析など様々な分析に対応している点です。
高機能な分析手法を導入しているため、マーケティング分析の中級~上級者におすすめのツールです。
公式サイト「Repro」
6. Mouseflow
Mouseflowはヒートマップツールを首都した分析ツールです。
ファネル分析を行いながら、詳細な分析シーンでは、ユーザーのページ上での動きを参照することができるため、非常に細かい分析を行うことが可能です。
Mouseflowを利用することでサイト上でユーザーが感じるストレスを取り除くことができるため、より細かいサイト改善を行うことができます。
公式サイト「mouseflow」
7. Flurry
Flurryはyahoo!が提供する「モバイルアプリ」に特化した分析ツールです。
モバイルアプリにとってファネル分析は非常に重要です。
Flurryを使えば日々のレポーティングを始め、離脱を最小限にするための細かい分析が可能です。
公式サイト「Flurry」
ファネル分析に関するまとめ
今回は、様々なマーケティングシーンで活用されるファネル分析について詳しく解説しました。
ウェブ解析士として様々なサイトの分析やコンサルティングを行う私も、実際によく使うフレームワークです。
サイトの改善点を見つけたり、効果改善案を導き出すために非常に優れていますので、マーケティングに携わる方は是非、取り入れていただきたいと思います。
本記事を参考にしていただき、ファネル分析を取り入れてみてください!